Spring has come!(進行形と完了形)
2021年3月5日
春が来ましたね。
英語では”Spring has come.”と表現します。これは中学3年生で習う現在完了形と呼ばれる表現です。
完了形というのは日本語にはない表現方法なので、言葉だけで捉えると非常に理解が難しいものです。
日本語の「春が来た。」を直訳的に英語になおせば”Spring came.”と単に過去形で表すことになりますが、これだと日本語の「春が来た。」のニュアンスにはなりません。
過去形の”Spring came.”だとどういうニュアンスになるかと言うと「ある過去の時点において春が来た」というだけの意味になります。
つまりその結果春が今どこに居るかまでは全く言及していないわけです。もしかしたら次の日にはまたどこかに行ってしまっているかも知れません。
”Spring has come.”という完了形の表現は「春が到来した」という過去の出来事よりもむしろ「今ここに春が居る」ということを強調した言い方なわけです。「現在完了形」というだけあって、あくまで現在の状態を表す言葉です。
まさに「春が来た。」という短い日本語で表されるニュアンスそのものです。秋になってから「そういえば半年ほど前に春が来ましたね。」とは誰も言いませんよね。
一方、よく混同されるものに”Spring is coming.”という現在進行系の表現があります。
この進行形と完了形の違いが明確に理解できれば英語の理解がとても深まります。
そもそもなのですが日本語の「来る」と英語の”come”には実は大きな違いがあります。
日本語の「来る」は、「来た」と過去形で使えば「もう到着した」という意味で使われます。そういう意味では「もう着いたのかまだ着いていないのか」を表現している言葉と言えます。
それに対して英語の”come”は「どこかからこちら向かって移動する」という意味で使われる言葉です。過去形になっても単に「それが過去に行われた」というだけであり、あくまで移動そのものを表現している言葉であると言えます。ちなみに方向が逆なだけで”go”も全く同じです。
そう捉えれば”Spring is coming.”という言葉の意味がよく分かると思います。現在進行形というだけあって今まさに移動している最中であり「まだ到着していないけど、もうすぐ着く」というニュアンスを含んでいるわけです。
先週まで”Spring is coming.”だったのがついに”Spring has come!”。この流れが進行形と完了形の関係であり、完了形の”Spring has come!”がまさに日本語の「春が来た!」そのものです。
このニュアンスの違いが理解できれば、進行形と完了形の意味、および動詞”come”の意味がよく分かるかと思います。
”Santa Claus is coming to town♪”という歌声から、子どもたちがワクワクしながらサンタクロースの到着を待ってる様子が伺えませんか?(^^)
前の記事
最近よく聞く「AI学習」って何?