最近よく聞く「AI学習」って何?
2021年2月3日
最近、テレビCM等で「AI学習」という言葉をよく耳にします。
学習だけでなく「AIほにゃらら」っていうのはそこら中にありますね。とりあえずなんでも「AI」って付けとけば売れるだろうという雑なAIも多いです。笑
では「AI学習」とは果たして何なのか?
「AI学習」があれば先生は要らないのか?
その辺りを考察したいと思います。
AI学習とは?
一体、どんな機能を指して「AI」と言っているのかというと、生徒の答案を分析することで、その生徒の課題を見つけ出して、その課題を克服するための演習問題を与えるという機能です。
生徒の答案を分析
↓
その生徒がクリアするべき課題を見つける
↓
その課題を克服するための演習問題を与える
これは確かに理にかなった学習方法ですし、私たち塾講師がやっている仕事そのものです。
「AI学習」の最大の売り文句は「人間には不可能な分析力」というものらしいですが、じゃあ我々のような塾講師にはとてもできないような分析ができるのか?
それはある意味でその通りです。
我々人間にはとても不可能なことをやってのけるのがAIのチカラです。
人間には不可能な分析力とは
ただし勘違いしてはいけません。何が人間には不可能かと言うと「分析できる量」です。
どういうことか言うと、例えば1000人分の答案をダンボール箱に入れて渡されて「今日中にこれら全員の弱点とその対策プリントを用意していてください。」と言われても、それはどんなに優秀な講師でも不可能です。
しかし答案データさえあれば、それができるのがAIの強みです。
ただし「分析の質」に関しては現状ではまだ人間のレベルには達していないと思います。
つまり、それなりの質でいいから大量の生徒の答案を分析して、個人個人にカスタマイズされた課題を出力する。それが「AI学習」の現状です。
目の前で生徒が悩んでいる姿を見たり、スラスラ解いている姿を見たりしながら分析する方が質は高いに決まっています。特に数学なんかはその生徒の力を分析するには答えが合っているかどうかよりも答えに至る道筋や思考に注目することが大事です。
そこはまだまだ現状のAIシステムでは人間と同じようにできるはずがありません。
「AI学習」が代替するもの
結局、「AI学習」のメリットは大手塾の経営を楽にするという1点につきます。
全国に展開するような大手塾・予備校は実際に何万人もの生徒を抱えているわけですが、なぜそれだけ多くの生徒を抱えることができるかというとそれだけ多くの講師を抱えているからです。
その大量の講師の中には全国でも指折りの指導力を持つ先生から、やる気のない学生アルバイト講師まで、その数は数百人、数千人・・といることでしょう。
毎月、毎月、どれだけのお給料が支払われているか計算するだけでも大変です。
やる気のない学生アルバイト講師、言い換えると、分析できる量も質もAIに劣るような講師を維持するのにもとてつもないお金がかかっているわけです。
それらを全て「AI学習システム」に置き換えられたとしたら、どれだけ大手塾の経営が楽になるか想像に難くありません。
必要経費が大幅に下がるだけでなく、うまく利用すれば質も上がるかも知れません。
AIに負けないように
AIはデータが貯れば貯まるほど賢くなるので、これからどんどんその分析力も人間レベルに近づいてくるでしょう。
私たちのような個人塾は、少なくとも分析の質では絶対に負けるわけにいきません。
そのために生徒の答案をチェックするだけでなく、生徒と本気で向き合い、その生徒がどこでつまづいてしまうのか?そのつまづきの原因は何なのか?をしっかり見極めます。
そして何より、生徒が楽しく前向きに学習できる環境や動機を与えることが、AIにはまだ難しいところであり、逆に言えば人間の強みです。
「AI学習」に負けないようこれからも自己研鑽に励み、良い学び舎を作っていきたいと思います。
生徒たちの将来のために頑張ります!
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